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にゃんこ先生のこと [よもやまごと]

20代最後の年に実家を出て一人暮らしを始めました。

それまでずっと実家住まいで、自分ではちょっとしたチャレンジのつもりで。

ずいぶん遅い自立でしたが…。

誰も待っていない明かりのついてない家に帰る日々も初めて。

住んでいたところ(実は今も住んでいるのだけど)はちょっと小高い坂の上にあり、静かで気持ちのいいところです。

猫がのんびりしている場所って平和な空気に包まれてますよね。

我がアパートの近くに住み着いていたのも人懐っこくって丸顔の茶トラの猫でした。

その風貌から「にゃんこ先生」と勝手に命名。

(きっと、他の名前もいっぱい持ってるのだろうね)

  にゃんこ先生は  おじいさんの猫

 うちの日当たりがいいベランダがお気に入りでよくくつろぎに来てた。

夕方、会社から帰ってきて坂を上りきったところで、いつも待ち伏せされてエサをおねだりされてたなぁ。

だけど猫相手に「ただいまー」とか言って、ほっとしてたりして。

「にゃんこ先生」は結婚して引っ越してきた猫大好きなダンナちゃんとはすぐに仲良しになりました。

煮干をあげたり(本当は無責任な行為でいけないのかもしれないけど)してたら、

「今日はオレのおごりだぜ~ うまい煮干食べさせてくれるトコあるんだけど来いよー」

みたいな顔して猫友達を連れてきたことも。

ある年の冬、いったんこの「にゃんこ先生」は姿を消してしまいます。

心配していたところ、ガリガリにやせて目ヤニで目がほとんど開いてない状態でふらりと帰ってきた。

借家なので家には入れられないので、ベランダに防寒の“猫小屋”をつくりミルクをあげたりしたけど、何も食べることが出来ない状態。

それからすぐに再び失踪して結局帰ってくることはありませんでした。

おそらく死期を悟って姿を消したのでしょう。

それでも一度、瀕死の状態になりながらも帰ってきたのは「にゃんこ先生」なりの別れの挨拶のつもりだったのでしょうか?

顔なじみの猫が遊びにこなくなったベランダはちょっと寂しい。

もういちど、あの猫に会いたい。

だけど、今頃は天国でもマイペースにのーんびりと過していることでしょう。


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鯉三

じっくりと読んで、最後はしんみりしてしまいました。
ネコは場所につく動物だとよく言われますが、最近はそれだけではないのかなと思うこともしばしばです。にゃんこ先生にとってお気に入りの場所だったベランダは、hamaさんに会える場所だったわけですから、きっと挨拶をしに来たのだと思います。
by 鯉三 (2006-04-17 18:08) 

こゆ話って弱いのぉ(T_T) ←すでに涙ポロポロ
きっとにゃんこ先生にとっても、大好きな場所だったのね。きっとね☆
by (2006-04-17 20:48) 

yana_015

私も朝早くからじ〜んと来てしまいました。
にゃんこ先生は本当に挨拶に来たのだと思います。
今、浅田次郎の『椿山課長の七日間』という本を読んでいますが、
にゃんこ先生にも思い残したことがあったのですね、、、。
by yana_015 (2006-04-18 07:46) 

hama

★鯉三さんこんにちわ~
挨拶にきたのかな?というのはあくまで人間側のセンチメンタルな解釈なのかも知れませんが、そういう風に思いたかったのでしょうね。
いつも煮干とかあげて可愛がっていたし(笑)

★めいさんこんにちわ~
泣きのツボ直撃のお話でしたf(^-^;
このネコの仕業の中で、いちど帰宅するときれいに骨だけになった干物らしきものがベランダに残ってたことがあって笑いました。

★えぐさんこんにちわ~
「椿山課長の…」というお話も人が亡くなってしまう話なのでしょうか?
引っ越してきたときにはこのネコはすでに棲みついていたので、わたしの一人暮らしの想い出はにゃんこ先生なしでは語れないのです。いつもこのネコが遊びに来てくれて楽しかったのです。
by hama (2006-04-18 20:14) 

yana_015

主人公が亡くなったあと、冥土から特別に戻ってきて、、、
というお話です。
今日読み終わりました。いいお話でした(T〜T)

hamaさんにいつまでも忘れられないにゃんこ先生、
幸せだと思いますよ〜。
by yana_015 (2006-04-18 22:09) 

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